ログアドベンチャーにはTEKTRO製機械式ディスクブレーキのMD-M280というモデルが装着されています。
TEKTROといえばよくロードバイクやマウンテンバイクの完成車に装着されており、あまりネットでの評判はよろしくない。
しかしながら、TRP(Tektro Racing Products)という社名で高級路線のパーツも作っているそれなりのメーカーであります。
まあシマノなんかと比較しちゃうと雲泥の差があるんでしょうが。
自分は高級レース機材なんぞ使ったことないのでTEKTROで十分。しっかりとメンテしてあげればそれでよいのです。
さて、今回はディスクブレーキの種類についての解説、後半ではパッドの摩耗点検も兼ねて実際に交換をしていきましょう。
ディスクブレーキの種類
ディスクブレーキには大きく分けて油圧式と機械式があります。
油圧式はバイクや車でも使われているような、ブレーキフルードを用いて作動させるタイプです。
対して機械式(メカニカル式とも)は昔ながらのワイヤー引きで作動させるタイプです。
最近はロードバイクにも続々とディスクブレーキモデルが導入され、リムブレーキのモデルは今後どんどん減っていくんじゃないかという状況になっています。
かの有名な入門用クロスバイクのエスケープシリーズにも油圧ディスクモデルが追加されてますね。
取り付け方法
ディスクブレーキを取り付けるには車体に取り付けるためのマウント部分が必要です。
つまりマウントが存在しない車体にあとからディスクブレーキを取り付けることはできません。
取り付け方式は以下の3つです。
フラットマウント
現在ロードバイク系のディスクブレーキマウントの主流。
車体のでっぱりが少なくてスッキリ見えるので、ロードバイクのシルエットやデザインを崩さない。
140ミリという小さめのローターを使えるようになるためブレーキ本体も小さく済み、エアロダイナミクスにも寄与するとかなんとか。
ポストマウント
マウンテンバイクは10年以上前からポストマウント式が主流です。
ポストマウント式は後述のインターナショナルスタンダードから派生した取り付け方式です。
前後とも同じキャリパーを使えて、アダプターを噛ませて180ミリというでかいローターを使うこともできます。
MTBでは今後もポストマウントが主流なのでは、というのが自転車業界の見立てです。
インターナショナルスタンダード
ディスクブレーキの規格として最も古い規格です。
前後で別々のキャリパーを用意しないといけないなど使い勝手がいちじるしく悪かったらしく、現状この方式を採用している新車はほぼ存在しません。
インターナショナルスタンダード式のマウントにアダプターを噛ませてポストマウント式のキャリパーを積んでる完成車は割と存在します。
ていうかログアドベンチャーがもろにそのタイプです。
ローター
ローターとは車輪のハブにくっついてる金属の円盤です。
車輪と一緒に回転しているローターを、キャリパーでぐっと挟み込むことで制動力を得るシステムです。
ローターの取り付け方式にも2種類あります。センターロック式と6ボルト式です。
センターロック式のほうが構造上軽くなり、ネジが緩む心配もなく信頼性が高いというふれこみ。
ただし取り付けには専用工具が必要で、長年使っていると取り付け部にガタが出てくるという危惧もあるようです。
パッドを交換していくよ
それでは実際にパッドを交換していきましょう。
サイクルベースあさひにパッドを買いに行ったのですが、ちょうど在庫が1個しかなく、今回は前輪のみ作業します。
今回購入したのはこいつ。シマノのB01Sです。
今装着されているTEKTROの純正パーツと互換性があるらしく、実際問題なく装着できました。
※2024年3月現在、下記のB01Sは在庫切れのようですが、B05S-RXという品番のブレーキパッドが互換性があり使用できるようです。
続いて車体側。
フォークに一番近いところに上下についてるのがインターナショナルスタンダード式のマウント部です。
ボルトの頭がこちらを向いてるのが特徴。
そこに弓なりの黒いアダプターを噛ませてポストマウント式のキャリパーを装着しています。
抜けどめピンを外す
縦から見るとこんな感じ。
まんなかの穴からちょこっと見えてる薄い板がパッドの頂点、とんがった部分です。
まずはそこに刺さってるピンを抜いていきます。
ピンの先っちょがぐっと曲がって抜けないようになっているので、ラジオペンチなどで真っ直ぐにしてやります。
真っ直ぐになりました。
この状態で横方向に引っ張って抜いてやります。
パッドを外す
お次はパッドを外していくわけですが、車輪を外さないと取れないタイプだったので車体をひっくり返して車輪を外します。
この状態で挟まってるパッドを抜いてやります。
スルリと抜けました。
外したパッドはこんな感じ。
まんなかのパーツはバネになっていてパッドとローターのクリアランスを維持する役目を果たします。
抜けどめ用のピンは再使用不可、新品に交換してやります。
新品のパッドにはピンが3本付いていたので、一番近いものを選んで使用。
新品パッドを取り付ける
それでは早速新品のパッドを取り付けていきましょう。
まず、パッド2枚で板バネを挟むような形で持ちます。
そのままもともとハマっていたミゾにインしていきます。
パッドとキャリパーの穴が合うように微調整して、抜けどめピンを差し込んでやります。
ピンの長い方をラジオペンチでぐっと曲げて装着完了。
簡単ですね。
パッドのクリアランス、センタリング調整
ここからが少し面倒な作業です。
先程外した車輪を再装着すると、パッドとローターのクリアランスがほとんどないことがわかります。
パッドが摩耗するとレバーの引き代が長くなるので、都度調整してやるわけですが、新品のパッドの厚みに合わせて改めて調整をする必要があります。
まずはブレーキワイヤーの根本についてるアジャスターをぐるぐる締めてやり、クリアランスを広く取ってやります。
ブレーキをニギニギしてみてちょうどいい塩梅に調整しましょう。
その状態で車輪を回しても、おそらくパッドが擦れてうまく回らないはずです。
お次はキャリパーがローターの中心に来るようにセンタリングの作業を行います。
先ほどの弓なりになったポストマウント用アダプターは長穴になっており、左右に位置の微調整が可能となっています。
まず、キャリパー本体の固定ボルトを少しだけ緩めてやります。
上下2箇所あるので忘れず2本とも緩めます。
それから、キャリパー本体の中心についてる銀色の丸いネジを1ノッチだけ締めます。
回していくとコクンと感触があるはずなので、1回感触があったところで止めます。
その状態でブレーキレバーをニギニギすると、キャリパー本体が左右に動くのがわかるはずです。
しっかりと握った状態で、キャリパーの固定ネジを再度締めます。
しっかり締め終わったら、銀色のネジを締めた量と同じく1ノッチ緩めます。
おそらくこれでうまくいくはずです。
まとめ
今回は、自転車用ディスクブレーキの種類とパッド交換方法について解説しました。
ディスクブレーキには油圧式と機械式があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。また、取り付け方式にはフラットマウント、ポストマウント、インターナショナルスタンダードの3種類があります。自分の車体に合ったディスクブレーキを選ぶことが大切です。
パッド交換は、定期的に摩耗状態を点検し、必要に応じて行うことが必要です。パッド交換の方法は、キャリパーから抜けどめピンを外し、古いパッドを取り出して新しいパッドを入れるだけです。ただし、パッド交換後はブレーキの調整や慣らし運転が必要です。
ディスクブレーキは、未舗装路や雨天時でも安定した制動力を得ることができる優れたブレーキです。しかし、それだけにメンテナンスも重要です。ディスクブレーキの種類やパッド交換方法を覚えて、自分のブレーキを大切にしてください。
もしパッドの触れる音が消えなかったり、車輪を回して明らかにおかしな音がしている場合はおとなしく自転車屋さんに見てもらいましょう。
ブレーキはとっさの時に命を預かる大切な部品です。
いいかげんで調整をすると痛い目をみることもあります。
少しでも不安があったらプロに頼んでやってもらうのが賢い選択です。
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